【amazonの魔法】ヒトの「消費欲」とアマゾンの成功

GAFAが世界最強の企業であることは誰の目にも明らかだろう。彼らは巨万の富を築くためにある魔法を用いた。それは「人間の本能に訴えかける」ことだ。GAFAはその魔法を用いることで、政府や法律でさえ歯止めをかけることができないほどの力を手に入れた。

中でもアマゾンが用いる魔法は、主に「消費本能」に訴えかけるものだ。アマゾンは、私たちが持つ狩猟と採集を通して何かを獲得し消費したいという本能を歴史上類を見ない規模で刺激する。いまや全米の世帯の52%にアマゾン・プライムがある。

現在のように身の回りにものが溢れるようになったのは、せいぜいここ百年くらいだ。産業革命以前の何千年の間、より多くのものを持っていること、すなわちより多く消費できるということが人間にとって力の象徴だった。「消費=力」という本能はホモサピエンスとしての人間にインプットされているものであり、数百年程度では変わらない。

アマゾンが訴えかけるのは、より多くのものをできるだけ楽に集めようとする我々の狩猟採集本能だ。
我々はものに強く惹かれる性質を持っている。洞穴に住んでいた大昔から、いちばん多く枝を集め、実を割るのに具合のよい石を持ち、「いつ穀物を植えるか、どのような動物が危険か」を子孫に伝えるため壁に絵を描けるきれいな色の泥を持っている者が、生き残る可能性が高かったからだ。

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』 スコット・ギャロウェイ

人類史上最も歴史の深いビジネスは小売業であり、アマゾンもその系譜に属している。小売業の歴史は「人間の消費本能をいかに満足させるか」の試行錯誤の歴史と言っていいだろう。そして、現在までに人類がたどり着いた最高の小売形態がアマゾンというわけだ。

小売業界は、より高品質のものを、より多く、より安く手に入れたいという欲望に適応した業務形態が生き残ってきた。「街角の商店」から「デパート」へ、「デパート」から「ショッピングモール」へ、そして「デパート」から「eコマース」へという小売業の発展は、すべて「より多く、より安く」という方向への発展だ。アマゾンは世界最大の品ぞろえを誇り、しかも欲しい商品を最安値で購入でき、さらには自宅から移動する必要もない。

消費資本主義のこの社会で、無限の商品を収める倉庫を持つアマゾンは人間が持つ消費本能の具現である。人々に消費本能がある限り、アマゾンはこれからも消費の楽園であり続けるだろう。それ以外の小売形態を殲滅しながら。

紹介した書籍
スコット・ギャロウェイ(2018) 『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』

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